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メソポタミア神話

『大英博物館』や『ルーヴル』で楔形文字の粘土板や『ハンムラビ法典』を前にしたとき、神と王権が同じ物語で語られる現実感に胸をつかまれました。メソポタミア神話は、都市国家が天・地・水の秩序を神格(アヌ・エンリル・エンキ)として配し、政治と祭礼の実務へと接続した体系です。

メソポタミア神話

『ギルガメシュ叙事詩』は、メソポタミアで成立した英雄ギルガメシュの友情と不死の探求を描く叙事詩で、楔形文字の粘土板12枚・約3600行の標準版が前13〜12世紀に整えられました。

ギリシャ神話

ゲームや映画の印象だけでオリュンポス十二神を思い浮かべると、ハーデースは当然メンバーで、アポローンは単純な太陽神だと思い込みがちです。けれど原典を紐解くと、十二神はあくまで12柱の枠で整理され、ハーデースは主要神でありながら通常は含まれず、

神々図鑑

ゼウスは、天空と雷、そして法と秩序、王権を司るオリュンポスの主神です。ただし、その姿は「最高神=唯一神」という単純な図式には収まりません。多神教の中で世界を統べる王として、自然現象の力と政治的・司法的な権威が重なり合う、多面的な神格として読む必要があります。

神々図鑑

ヘラは、創作では「嫉妬深い正妻」として切り取られがちですが、原典を紐解くと、結婚・出産・既婚女性、そして王権を守る女王神としての輪郭が見えてきます。筆者も大学の原典講読でイリアス第14歌(Homer, Iliad 14)を精読した際、ゼウスを出し抜く政治的な知略と、婚姻の秩序を担う神格とが、

ギリシャ神話

オリンポス十二神という呼び名はよく知られていますが、原典を紐解くと「十二」という数は見えていても、その顔ぶれは思ったほど硬直していません。筆者も神統記やイリアスを講読したとき、十二神は固定名簿というより、オリンポスに集う主要神々の枠組みとして読むほうが実態に近いと感じました。

ギリシャ神話

ギリシャ神話は、もともと口承で語り継がれた物語群が、ヘシオドスとホメロスという二つの柱を通じて骨格を得た世界です。本記事は、神々の誕生から英雄時代、そしてトロイア戦争までを一本の時系列でつなぎ、はじめて全体像を掴みたい人に向けて整理します。

ギリシャ神話

ギリシャ神話の怪物は、名前だけ知っている段階だと意外なほど混同しやすく、原典を開くと現代のイメージと食い違う場面も少なくありません。筆者は大学時代に神統記ギリシア神話(ビブリオテーケー)変身物語を輪読しましたが、そのとき痛感したのは、

ギリシャ神話

ギリシャ神話の英雄は、単に「強い戦士」の名簿ではありません。イーリアスオデュッセイアを軸に読み直すと、怪力で贖罪を背負うヘーラクレース(一般にはヘラクレス)、知略で帰還を果たすオデュッセウス、短命と栄光のあいだで裂かれるアキレウスなど、英雄ごとにまったく別の型が見えてきます。

ギリシャ神話

映画トロイを見たあと、筆者は岩波文庫版イーリアスとオデュッセイアを机に並べ、あの有名な木馬の場面がどこにあるのかを実際に引き比べました。そこでまず確認できたのは、トロイア戦争はギリシャ神話を代表する大戦争でありながら、イリアスが描くのは十年戦争のごく一部で、

ギリシャ神話

ティタン神族というと、敗れた巨人たちの総称だと思われがちですが、原典を紐解くと、通例はウラノス(Ouranos)とガイア(Gaia)の子である12柱、すなわちゼウス以前の世代神を指し、その中には女神や秩序を司る神格も含まれます。

神々図鑑

北欧神話のオーディンは、単なる「偉い神」ではありません。片目をミーミルの泉に差し出し、詩のエッダのハーヴァマールに記されるRúnatalを読み直すたびに、筆者には「自分自身を自分に捧げた」という反復の迫力が伝わってきます(注:ハーヴァマールの節番号は訳者・版により割り振りが異なるため、