比較神話学

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ユングの元型論とは、スイスの精神科医ユング(1875〜1961)が、人類に共通する心の深層を説明するために提唱した考え方である。個人の経験に由来する個人的無意識の下に、遺伝的に共有される集合的無意識があり、そこにある元型は全人類に共通する心のパターンの鋳型だと考えられた。

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ヒーローズ・ジャーニーとは、ジョーゼフ・キャンベルが1949年に千の顔をもつ英雄で体系化した、物語の根底にある共通骨格である。スター・ウォーズ、マトリックス、ライオン・キングが神話に似て見えるのは偶然ではなく、冒険への召命や最初の関門といった段階に、読者が漠然と覚える既視感の正体がある。

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ヨルムンガンド、ティアマト、ヴリトラ、アポピス、ヤマタノオロチ、ピュトン、ケツァルコアトルは、世界の異なる文明で巨大な蛇・龍蛇として現れ、秩序と混沌の境界を映し出す存在である。

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フェニックス、鳳凰、火の鳥、朱雀は、いずれも赤や炎のイメージでひとまとめにされがちですが、起源も姿も象徴も別物です。タトゥーやアニメで「フェニックス=鳳凰=朱雀」と混同されたまま使われる場面に何度も出くわし、原典を当たると全部違っていた——その気づきから、この4種を同じフォーマットで横並びにして整理します。

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ペガサスは、ギリシャ神話に属する翼を持つ白馬であり、北欧神話のスレイプニルとは姿も出自もまったく異なる神馬です。ゲームやアニメで両者の名を覚えた読者ほど、原典をたどったときの落差には驚かされるでしょう。

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巨人神話は、ギリシャのギガース、北欧のヨトゥン、ケルトのフォモール族のように、神々に敵対する古い存在として各地に現れる比較神話の重要な題材です。とりわけギリシャ神話では、ティタノマキアとギガントマキアが別の戦いであり、原典を読むとこの区別こそが神話理解の出発点になります。

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西洋のドラゴンと東洋の龍は、どちらも巨大な竜として語られながら、評価が正反対に割れる存在です。英語のdragonはギリシャ語drakonに遡って「巨大な蛇」「睨む者」を意味し、殷代の甲骨文に現れる龍は雨水と天の力を担う聖獣として育ちました。

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精霊と妖精は、ギリシャのニンフ、北欧のアールヴ、ケルトのアシー、日本の八百万の神までを一括して語るときに現れる、もっともやっかいな近縁概念です。ゲームや翻訳ファンタジーで「エルフ=小さく可憐な妖精」に慣れていた目で散文エッダを開くと、「太陽より美しい」と描かれる半神格の姿に出会い、

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女神転生シリーズの悪魔は、世界中の神話・宗教・民間伝承を取り込んだ、異例なほど広い引用の集積である。旧約聖書、ギリシャ、北欧、日本神話に加えて、能や怪談、不思議の国のアリスまで元ネタになっており、本作でいう「悪魔」は善悪ではなく、天使も含む超常存在全般を指す。

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オーディンは、13世紀アイスランドで編まれた散文エッダと、コデックス・レギウスに伝わる詩のエッダ、それにサガの系譜をたどると姿が見えてくる北欧神話の主神である。

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七大天使とは、ユダヤ教・キリスト教の伝統で神の御前に立つとされる七体の大天使の総称である。だが、その七名は一つに定まらず、ミカエル・ガブリエル・ラファエルの3名だけが共通枠で、残り4名は聖典や教派の違いによって入れ替わる。

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死神とは、ゲームや創作で見かける黒衣に大鎌の存在を指すことが多いが、実際には一つの系統ではなく、擬人化型・天使型・神格型という3つの系統が混ざっている。とくに死神/グリムリーパーは、14世紀ヨーロッパの黒死病期に死の図像が形を整え、19世紀以降に現在の姿と呼び名が広まった、意外に新しいイメージでもある。