比較神話学

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七大天使とは、ユダヤ教・キリスト教の伝統で神の御前に立つとされる七体の大天使の総称である。だが、その七名は一つに定まらず、ミカエル・ガブリエル・ラファエルの3名だけが共通枠で、残り4名は聖典や教派の違いによって入れ替わる。

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死神とは、ゲームや創作で見かける黒衣に大鎌の存在を指すことが多いが、実際には一つの系統ではなく、擬人化型・天使型・神格型という3つの系統が混ざっている。とくに死神/グリムリーパーは、14世紀ヨーロッパの黒死病期に死の図像が形を整え、19世紀以降に現在の姿と呼び名が広まった、意外に新しいイメージでもある。

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聖杯とは、最初からイエスの杯だったわけではなく、古フランス語 graal が指した「大皿・深皿」から文学の中で形を変えていった概念です。1185年頃のクレティアン・ド・トロワペルスヴァルまたは聖杯の物語に初めて現れた時点では、まだキリスト教と直結しておらず、後世に意味づけが重ねられていきました。

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バフォメットは、単一の古代悪魔ではなく、1098年の第一回十字軍の書簡に見える名称、中世のテンプル騎士団裁判で膨らんだ告発、そして19世紀以降に形を与えられた図像と印章が後世に重なってできた存在です。

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四大天使とは、ミカエル、ガブリエル、ラファエル、ウリエルの4体を指す天使群であり、聖書正典にそのまま「四大天使」と記される存在ではない。最古層は紀元前2世紀頃に成立した第一エノク書監視者の書第9〜10章や、神の玉座を四方から囲むというユダヤ教伝承に根ざしている。

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エクスカリバーは、アーサー王伝説を代表する聖剣であり、王権と正統性を象徴する剣である。原典を紐解くと、石に刺さった剣と湖の乙女から授かる剣は同一ではなく、特にマロリーアーサー王の死では別の剣として語られる。

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マモンは、アラム語 māmōnā に由来する「富・財産・利益」を表す普通名詞として出発し、神でも悪魔でもなかった語である。現代では強欲の悪魔として知られるが、その像は聖書、教父の解釈、悪魔学、そして文学を経て形づくられてきた。

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リリスとは、約4000年にわたりメソポタミア起源、旧約聖書、中世ユダヤ文献、近代芸術へと意味を重ねられてきた習合体である。大英博物館で夜の女王浮彫の前に立つと、解説プレートがリリスと断定していない事実に目が留まり、名のある遺物ですら帰属が揺れるところに、この人物像の難しさがそのまま表れていた。

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レヴィアタンは、旧約聖書に登場する海の怪物であり、ヨブ記41章では神の力を示すために描かれた無敵の被造物です。鱗は剣を弾き、息は炭火をおこし、口から炎を発する存在として語られるため、もともとは悪魔ではありません。

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ベルフェゴールは、七つの大罪のうち怠惰を司る悪魔として知られる存在で、ゲームや図像を通じて「地獄の七君主の一柱」として記憶されてきました。もっとも、その評価は16世紀末のビンスフェルトによる悪魔学的分類に強く支えられたもので、出発点から悪魔だったわけではありません。

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アスモデウスは、ゾロアスター教の憤怒の魔神アエーシュマに最古層を持ち、アシュメダイ、アスモダイオスへと音を変えながらユダヤ教とキリスト教のあいだを渡ってきた存在です。色欲を司る悪魔という通説はその長い変遷の末に定着した姿にすぎず、原義により近いのはむしろ憤怒だと押さえると輪郭がはっきりします。

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アバドンは、ヘブライ語で「破壊」「滅び」を表す語であり、旧約聖書では人格ではなく、シェオルと並ぶ滅びの領域として語られてきました。FGOやメガテンで「破壊の悪魔アバドン」に触れてから聖書を開くと、その落差に戸惑うのは自然です。実際、原典のアバドンはまず場所であり、そこから後世の解釈が重なっていきます。