比較神話学

ソロモン72柱の悪魔一覧|序列・階級・能力で読む全72体

ソロモン72柱とは、17世紀の魔術書『ゴエティア』に列挙された72体の悪魔群であり、原典では各悪魔が固有の印章、地獄での爵位、率いる軍団を持つ体系として記されています。
ソロモン王が指輪と真鍮の器でそれらを封じ使役したという伝承が全体の枠組みで、単なる悪魔の一覧ではなく、爵位と軍団数で読むべき構造になっているのです。
筆者もFGOや女神転生で「序列72番」という表記を初めて見たときは、番号が弱さを示すのだと誤解しましたが、原典を読むと序列は記載順にすぎず、強さの手がかりは階級と軍団数にあると分かります。
しかも7階級の内訳は王9・公爵23・侯爵15・伯爵14・君主7・大統領3・騎士1と偏りがはっきりしており、序列1番のバエルやベレト、アスモデウスの名を追いながら読むと、この体系の見え方が一気に変わるはずです。

ソロモン72柱とは何か|ゴエティアに記された悪魔たち

ソロモン72柱は、『ゴエティア』に列挙される72体の悪魔群であり、『レメゲトン(ソロモンの小さき鍵)』全5書の第1書にあたります。
出自を押さえるだけで、後世の創作がどこで膨らみ、原典がどこまで何を語るのかを切り分けやすくなるでしょう。
単なる怪異一覧ではなく、序列・印章・軍団数をそろえた体系として読まれるべき存在です。

ゴエティアとレメゲトンの位置づけ

『ゴエティア』は、72柱をまとめて扱う原典として最初に確認すべき書物です。
『レメゲトン(ソロモンの小さき鍵)』は全5書から成り、その第1書が『ゴエティア』であるため、この一冊を押さえると72体の悪魔がどのような枠組みで語られているかが見えてきます。
原典を起点に読むと、ゲームや創作で広がった設定と、文献に残る最小限の記述を分けて扱えるのが利点です。

原典の英訳版を通読すると、各項目が姿・声・能力・軍団数・印章という同じ型で淡々と並び、図鑑というより役職名簿のように見えてきます。
名前の強さを競う本ではなく、同じフォーマットで並べることで差異を浮かび上がらせる本なのです。
だからこそ、一覧は「どの悪魔が何をするか」を覚えるためだけでなく、どの属性が反復されているかを比較するための資料にもなります。

ソロモン王伝承と72体という数

72柱をひとまとまりにしているのは、ソロモン王が魔法の指輪でこれらの悪魔を封じ、真鍮の器に収めて使役したという伝承です。
神殿建設などに力を用いた物語として流通したことで、個々の悪魔はばらばらの怪異ではなく、王に従わされた一団として理解されるようになりました。
ここでのソロモンは歴史上の王というより、知と統御の象徴として機能しているのです。

さらに『72』という数そのものにも、占星術的・カバラ的な含意があります。
だからこの書は、単なる悪魔図鑑ではなく、当時の宇宙観や知への欲望を反映した編纂物として読むほうが筋が通ります。
ゲームで先に名前を覚えた悪魔を原典で照合すると、創作がどの一行を膨らませたのかが見えて、原典主義の読み方としてかなり面白い場面になるでしょう。
数字の意味まで含めて眺めると、一覧そのものが思想の配置図に変わります。

印章・軍団という共通フォーマット

72柱は、全体として固有の印章(シジル)、地獄での爵位、率いる軍団を持つという共通フォーマットで記述されます。
この統一形式があるため、読み手は名前の羅列を追うだけでなく、爵位・軍団数・能力の組み合わせを横断的に比べられます。
序列は原典での記載順にすぎず、強さや封印順をそのまま示すものではありません。
比較の手がかりになるのは、むしろ爵位と軍団数の組み合わせです。

階級は王9・公爵23・侯爵15・伯爵14・君主7・大統領3・騎士1の7種に分かれ、公爵が最多で騎士が1体しかいない偏りが目立ちます。
地獄の位階が天体にも対応し、王は太陽、侯爵は月、大統領は水星、公爵は金星、伯爵は火星、君主は木星、騎士は土星に結びつくため、ここには悪魔の名簿であると同時に、宇宙の秩序を写した表でもあるという二重性があるのです。
学問を授ける霊、財宝や実利をもたらす霊、変身や心を操る霊が並ぶなかで、能力の違いをこの枠組みから読み解くと、72柱の全体像がぐっと立体的になります。

序列とは何か|番号は強さでも封印順でもない

ソロモン72柱における序列は、原典で悪魔が記載された順番にすぎず、強さや地位の高さをそのまま示すものではありません。
序列1番のバエルから72番まで番号は振られていますが、その数字をそのまま格付けとして読むと、原典の構造を取り違えることになります。
掲示板やまとめ記事で「序列が若いほど強い」という前提を何度も見かけますが、原典主義の立場から確認すると、そこで見ているのはあくまで並び順です。

序列番号が表すもの・表さないもの

序列が表すのは、ゴエティアに列挙された72体をどの順で記したかという情報です。
そこに「最強」「最弱」「封印した順」といった評価は含まれていません。
創作の読み方として番号をランクに見立てたくなる気持ちは分かりますが、原典の側はもっと淡々としていて、記載の順番を示しているだけです。
筆者も、設定資料で序列番号をそのまま強さに転用した結果、王階級の悪魔が後ろの番号に置かれて矛盾する例を何度も見てきました。
そこでは番号が意味を持つほど、全体の設計が苦しくなります。

強さの手がかりは階級と軍団数

では何を見ればよいのかというと、手がかりは階級(爵位)と軍団数(レギオン)の組み合わせです。
ソロモン72柱では、各悪魔が王・公爵・侯爵・伯爵・君主・大統領・騎士といった爵位を持ち、配下の軍団数も示されます。
たとえば序列1番のバエルは王で66軍団を率い、東方を支配し、猫・ヒキガエル・人の三面で現れるとされます。
王は9体しかおらず、ベレトは85軍団を率い、アスモデウスは序列32番ながら数学や天文を教え、72の下位霊を統べる。
番号よりも爵位と軍団規模で読む方が、原典の差異を拾いやすいのです。

観点序列番号階級(爵位)軍団数
表すもの記載順地獄での位階配下の規模
強さの判断材料ならないなるなる
読み方直列の並び比較の軸比較の軸

「封印順」説との混同に注意

『序列=ソロモンが封印した順』という説も流布しますが、これも後付けの解釈です。
ソロモン王が指輪と真鍮の器で封じ、使役したという伝承は72柱全体を束ねる枠組みですが、原典が明示しているのはあくまで記載順でした。
そこを切り分けて見ると、番号に封印の時系列まで背負わせる必要がないと分かります。
まとめ記事で「序列が若い=強い」と断じられているのを見かけるたびに、原典を引き直して記載順にすぎないと確かめる作業が欠かせません。
序列の誤解をほどくことは、72柱を正しく一覧として読むための第一歩です。

悪魔の7階級|王・公爵・侯爵から騎士まで人数で比較

悪魔の七階級は、王・公爵・侯爵・伯爵・君主・大統領・騎士という肩書きを、地獄の内部秩序として読み替えた体系である。
人数だけを見ても、最高位の王9体から騎士1体まで差が大きく、階級名の華やかさよりも実働の厚みが分布に表れている。
地獄の貴族制を模したこの一覧は、見た目の格式と、配下を率いる軍団規模の実態が必ずしも一致しないことを教えてくれる。

7階級の人数早見と軍団規模

7階級を横並びで見ると、人数・軍団規模の傾向・性格がそのまま階級の輪郭になります。
比較表は、階級名・人数・軍団規模の傾向・対応天体・代表的な悪魔の5列で統一すると、上位の権威と中位の実務、そして例外的な階級の差が一目で見えてきます。
実際に72体を集計し直すと、王9体、公爵23体、侯爵15体、伯爵14体、君主7体、大統領3体、騎士1体という偏りが、そのまま体系の性格を語っていました。

階級名人数軍団規模の傾向対応天体代表的な悪魔
9体66〜85軍団規模の最大級太陽バエル、パイモン、ベリアル
公爵23体中核を担う実働階級で、配下の動員力が厚い金星アンドラス、ヴァサーゴ、エリゴス
侯爵15体中位の軍団を率いる火星サミギナ、シャックス、アンドレアルフス
伯爵14体中位からやや下の規模土星バラム、プルソン、サルガタナス
君主7体限られた軍団を統率するゼパル、ベリアス、アイム
大統領3体少数精鋭で、知識・学問寄りの性格と結びつく水星カミオ、ガミギン、オリアス
騎士1体単独で最少地球フルフル

最多の公爵と唯一の騎士

公爵が23体で最多という事実は、この体系が単なる称号の飾りではなく、現場を回す階級を厚く置いていることを示します。
筆者が72体を階級ごとに集計し直したとき、王よりも公爵のほうが数で上回り、しかも騎士が1体しかいない偏りには強い印象を受けました。
地獄の役職は、頂点の象徴性よりも、動員と分掌を担う実務層に重点があるのです。

最少の騎士1体は、その対照として極めて象徴的です。
最多の公爵23体と唯一の騎士1体という極端な差は、72柱の一覧が均整の取れた官僚制ではなく、役割の濃淡がそのまま人数に反映された秩序であることを物語ります。
王9体も最高位としては少なく、66〜85軍団規模を率いる点に権威の重さが集約される。
数の偏りそのものが原典の体系を語っている、と言ってよいでしょう。

大統領という異質な階級

大統領3体は、貴族の爵位に本来ない呼称であり、7階級の中でもとりわけ異質です。
王や公爵のような封建的な響きの中に、突然「大統領」が混ざるため、最初は違和感が先に立ちました。
だが調べていくと、この異質さこそが重要で、悪魔の列挙が人間の封建秩序を模しながら、同時にそこからはみ出す知性の領域を抱え込んでいることが見えてきます。

しかも大統領は少数で、知識・学問を司る性格と結びつく点が特徴的です。
侯爵15体、伯爵14体、君主7体と中位が連なるなかで、大統領だけが別の系譜を思わせるのは偶然ではありません。
貴族制の言葉で整理しながら、実際には学識や情報を扱う役目が別枠で差し込まれている。
このズレを押さえると、7階級の比較は単なる人数表ではなく、地獄の官職制度を読む手がかりになります。

最高位「王」の9体|バエル・アスモデウスらの能力と軍団数

王階級の9体は、バエル、パイモン、ベレト、プルソン、アスモデウス、ヴィネ、バラム、ザガン、ベリアルで構成されます。
各体を序列、軍団数、姿、能力という同じ物差しで並べると、単なる名簿ではなく、王たちがどの領域を担う存在かが見えやすくなるでしょう。
とりわけバエルは一覧の先頭に置かれるだけあって、姿の多面性と支配力の両方で“顔”の役割を果たしています。

王9体の一覧と共通点

王階級の9体は、序列の高さだけでなく、扱う力の方向性にも差があります。
バエル、パイモン、ベレト、プルソン、アスモデウス、ヴィネ、バラム、ザガン、ベリアルを同じ形式で見ると、知識を与える王、心理や情念に働く王、実利や成果をもたらす王が混在しているのがわかります。
ここで重要なのは、王であることが単に位の高さを示すのではなく、配下の軍団を束ねながら、どの種類の働きを前面に出すかまで示している点です。

比較してみると、王たちの能力は大きく三つの傾向に分けられます。
数学・幾何・天文のような知を授けるもの、恋愛や情念、不可視化のように人の認識へ作用するもの、そして隠された財宝や実利に結びつくものです。
9体を横に並べたとき、王階級は「強い存在」ではなく、知識付与・心理操作・実利付与を分担する上位層だと理解しやすくなります。
こうした整理は、後のベレトやアスモデウスの個性を読み解く入口にもなります。

バエルとベレト:軍団数で見る上位

バエルは序列1番で66軍団を率い、東方を支配するとされます。
猫、ヒキガエル、人間、あるいはその三つを併せ持つ姿で現れ、しわがれ声で語り、召喚者を不可視にする能力を持つ点が特徴です。
初めてこの「猫・ヒキガエル・人の三面」という記述を読んだとき、後世のゲームのデザインがこの一行から発想されているのではないかと感じたことがあります。
原典を照合すると、誇張ではなく、むしろこの多面性こそが一覧の先頭に置かれる理由だと見えてきます。

ベレトは85軍団を率いる王で、恋愛・情念を司ります。
馬に乗り、あらゆる音楽を従えて現れるという派手な描写は、バエルの威圧感とは別の方向で王権の幅を示しています。
軍団数の多さでも上位に位置するため、王の序列は単純な強弱ではなく、支配の広がりや演出の豊かさまで含めた序列だと読めます。
バエルとベレトを並べると、先頭の「支配」と、後続の「情念と華やかさ」が対になり、王階級の輪郭がぐっと立体的になります。

アスモデウスとベリアルの個性

アスモデウスは序列32番で、数学、幾何、天文といった学問を教え、不可視化や隠された財宝の在処を示し、72の下位霊を統べる王です。
七つの大罪では色欲の悪魔として知られていますが、原典では知を授ける側面が前面に出ており、その印象はかなり変わります。
読者として色欲の悪魔という理解だけで止まっていた時期には見えなかったのに、原典で学問を教える存在だと知ると、悪魔像そのものが「欲望」だけではなく「知識」と結びついていたことがわかるのです。

ベリアルは器に封じられた指導的な悪魔として伝承で重んじられ、王階級の中でも象徴性が際立ちます。
ここには、単に恐ろしい存在というだけでなく、閉じ込められた力をどう扱うかという発想が含まれています。
9体を並べて見ると、ベリアルは実利や統率の象徴、アスモデウスは知と認識の象徴として映り、王たちの役割分担がはっきりします。
こうした見方を取ると、王階級は一枚岩ではなく、異なる機能を担う上位層の集合だと理解できるはずです。

階級と惑星・方角の対応|原典が描く地獄の体系

72柱の階級体系は、単なる序列表ではなく、占星術と地理秩序を重ねた世界図として読むと輪郭がはっきりします。
王から騎士までの七つの爵位は七天体に結びつき、さらに地獄の方角配置や複数爵位の併存まで加わることで、悪魔たちは固定された名簿ではなく、宇宙の規則に従って配置された存在として立ち上がるのです。
編纂者が何を見せたかったのかを追うと、中世ヨーロッパの知の枠組みがそのまま透けて見えてきます。

7階級と7天体の対応表

72柱の階級と天体の対応は、王=太陽、侯爵=月、大統領=水星、公爵=金星、伯爵=火星、君主=木星、騎士=土星という組み合わせで整理できる。
筆者がこの対応表を作ったとき、王が太陽、騎士が土星へと配される並びに、天体の序列が爵位の重みとゆるやかに重なる感触があった。
単なる暗記のための表ではなく、上位の権威から下位の働きへと流れる秩序を、星の名で読み替える設計なのだろう。

爵位対応する天体読み取れる性格
太陽中心性、統御、照らし出す力
侯爵変化、受容、境界の揺らぎ
大統領水星伝達、知性、媒介
公爵金星調和、魅了、結びつける働き
伯爵火星闘争、推進、行動力
君主木星拡張、威光、秩序の拡大
騎士土星制限、規律、境界の固定

この対応を押さえると、72柱が当時の占星術的宇宙観の写し絵であることが見えてくる。
天体は単なる天文学の対象ではなく、世界を動かす象徴的な力だった。
だからこそ爵位は社会的な身分であると同時に、性質や作用の分類にもなっている。
階級を知ることは、その悪魔がどのような力を帯び、どの領域で働くかを読む手がかりになる。

東西南北の四方支配

地獄は東西南北の四方に分けられ、各方角に支配者がいるという構図も伝えられる。
たとえばバエルが東方を支配するように、方角と悪魔が結びつくことで、72柱は名前の集合ではなく、空間に配置された勢力として把握される。
ここでは爵位の高さだけでなく、どの方角を押さえるかが意味を持つ。
地図の上に権力を置く発想です。

この四方支配は、地獄を抽象的な地下空間としてではなく、秩序だった領域として描く点に特徴がある。
東西南北に区分された世界は、進入や監視、境界の意識と深く結びつく。
つまり、悪魔たちはただ恐れられるだけの存在ではなく、空間の節目を管理する役割を与えられている。
方角に意味が付くことで、72柱は「どこにいるか」まで含めて体系化されるのだ。

複数の爵位を持つ悪魔

一部の悪魔は、王であり同時に伯爵であるように、複数の爵位を併せ持つ。
ここが重要で、階級は固定的なヒエラルキーというより、機能や属性のラベルとして重ねて付与されうる。
単純な上下関係だけで理解すると見落としやすいが、実際には「何を司るか」「どの場面で働くか」に応じて、爵位が複数枚重なっている。

この重なりは、分類体系そのものの柔らかさを示している。
ひとつの悪魔をひとつの箱に入れるのではなく、複数の性格を同時に記すことで、編纂者は世界をより細かく把握しようとしたのでしょう。
北欧やメソポタミアの神々の階層を比べても、こうした多層的な肩書きは珍しくない。
地獄の貴族制は、中世ヨーロッパの社会構造を投影しつつ、同時に神話的な世界の複雑さを受け止める器にもなっている。
72柱は、悪魔の一覧というより、宇宙と知をどう整理するかという発想そのものの記録である。

能力で見る72柱|知識付与・財宝発見・変身の傾向

72柱を能力で眺めると、まず見えてくるのは「戦う悪魔」よりも「教える悪魔」「探す悪魔」「変える悪魔」の多さです。
個別名を暗記するより、知識・財宝・変身という三つの系統で整理したほうが、一覧の輪郭はずっとつかみやすくなります。
筆者が72体の能力を書き出して分類したときも、戦闘より「教える・見つける・変える」が大半を占め、悪魔召喚が知と実利を引き寄せるための体系だったのだと再認識しました。
創作でも、この見方はそのまま役に立ちます。
序列で役割を決めるのではなく、能力系統からキャラクターの立ち位置を設計すると、ブレにくいからです。

知識・学問を授けるタイプ

72柱の中核を占めるのが、数学・天文・文法・論理・諸技芸を教える系統です。
ゴエティアが、知の獲得を悪魔召喚の主目的のひとつとしていたことがはっきり見える領域であり、ここには当時の学問への渇望がそのまま刻まれています。
単なる雑学ではなく、読み書きや計算、学芸の習得まで含むため、召喚者が求めたのは「力」だけではなかったのです。
知識を与える存在として悪魔が配されている点に、近世ヨーロッパの知的な切実さが透けて見えます。

観点特徴読者が得る見方
授ける内容数学・天文・文法・論理・諸技芸学問の幅広さを一望できる
召喚の目的知識の獲得、理解の補助悪魔譚を実利的な知の体系として読める
創作上の使い道教師役、参謀役、解説役キャラの機能分担がしやすい

この系統を押さえると、72柱が単なる怪異集ではなく、知識へのアクセス方法を並べたカタログのようにも読めます。
創作で悪魔キャラを設計するなら、知を渡す役は会話の回転を生み、物語の説明負荷を軽くする便利なポジションになります。
難解な設定を抱えた作品ほど、こうした「教える存在」を置くと流れが整うでしょう。

財宝・実利をもたらすタイプ

隠された財宝の在処を示す能力は、アスモデウスをはじめ複数の悪魔が持っています。
ここで重要なのは、財宝探しが単なるロマンではなく、召喚者の現実的な欲望と強く結びついていることです。
人は学問だけでなく、金や資源、目に見える成果も求める。
その両方が一覧に並んでいるため、能力の偏りは人間の欲望の地図でもあると言えるでしょう。

この系統は、知識系よりも露骨に「得をする」方向へ向かいます。
隠れたものを暴く力は、財宝に限らず、失われた手がかりや埋もれた情報を見つける役にも転用できるため、物語では探索の起点として働きます。
召喚者が欲するのは金塊そのものではなく、金塊へたどり着く道筋なのです。
だからこそ、この能力は現実的で、しかも物語を動かしやすい。

観点特徴読者が得る見方
代表的能力隠された財宝の在処を示す実利志向の色合いが見える
典型的な受益者富や資源を求める召喚者動機の具体性が把握できる
創作上の使い道探索、宝探し、失物発見展開の導線を作りやすい

能力の系統で眺めると、財宝発見は「見つからないものを見つける力」として広く読めます。
創作で使うなら、金銭目的の悪役だけでなく、遺失物を探す案内役や、封印されたものを暴く存在にもできます。
おすすめです。
役割を少しずらすだけで、同じ能力が物語の緊張感にも救済にも変わります。

変身・心を操るタイプ

召喚者を不可視にする、自在に姿を変える、恋愛や人心を操る——こうした能力は、バエルやベレトら上位に目立ちます。
ここで際立つのは、外見を変える力と、他者の心理へ介入する力が、しばしば連続して現れることです。
姿を隠すことは視線を外す技術であり、人心を動かすことは判断をずらす技術でもあります。
どちらも「相手の認識を操作する」という点でつながっているのです。

この系統は、戦闘力の高さよりも支配の巧みさが印象に残ります。
不可視化は逃走にも潜入にも使えますし、変身は欺きと救済の両方へ開けます。
恋愛や情念を操る力は、単なる色事ではなく、欲望そのものを揺らす装置として読むと輪郭がはっきりするでしょう。
人の心を動かせるなら、物語の中で立場をひっくり返すのも難しくありません。

創作で悪魔キャラを割り当てるときも、この系統は扱いやすい部類です。
変身役、潜入役、誘惑役、攪乱役と、機能が明確だからです。
序列の高さだけで配置すると似た役割が重なりやすいですが、能力系統で分ければ輪郭が立ちます。
友人にそう助言したときも、「序列で考えると迷うけれど、能力で切ると役が自然に決まる」とすぐ納得されました。
おすすめの考え方です。

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柊 瑛太

西洋古典学を専攻し、ギリシャ・北欧・ケルト神話の原典講読を続ける神話研究家。比較神話学の視点で神話間の共通構造を分析する記事を得意とします。

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