柊 瑛太

神話研究家・西洋古典学

西洋古典学を専攻し、ギリシャ・北欧・ケルト神話の原典講読を続ける神話研究家。比較神話学の視点で神話間の共通構造を分析する記事を得意とします。

ギリシャ神話北欧神話ケルト神話比較神話学

西洋古典学専攻。エッダやマビノギオン等の原典を原語で参照し、比較神話学的な分析を行う。

柊 瑛太の記事 (14)

北欧神話

ヨルムンガンドは、北欧神話に登場する超巨大な海蛇で、ミッドガルドを一周して尾をくわえることから世界蛇とも呼ばれます。ロキとアングルボダの子としてフェンリルやヘルと兄弟に数えられ、オーディンに海へ投げ込まれてなお成長を続けたという出自が、その異様な巨体に因果を与えています。

ケルト神話

ダヌは、アイルランド神話のダーナ神族の名祖とされる母神である。だが中世アイルランドの主要写本をたどると、主格のダヌはほとんど姿を見せず、神族の名だけに痕跡を残す「見えない母神」として浮かび上がる。

北欧神話

ヘイムダルは、北欧神話のアース神族の一柱で、アースガルズへ通じる虹の橋ビフレストのたもとを守る番神です。ゲームGod of Warやマーベル映画でこの名を知った人にとっても、原典ではまず「何の神なのか」を一文で押さえれば、その役割の輪郭がすぐに見えてきます。

ケルト神話

ゲイ・ボルグとは、ケルト神話のアルスター・サイクル、とくにタン・ボー・クァルンゲ/クーリーの牛捕りに登場する、クー・フーリンの魔槍である。FGOやグラブルでその名に触れた読者が驚くのは、そこにあるのが「必中の槍」というより、刺さった瞬間は小さな傷でも体内で30本の棘に分かれて抜けなくなるという、

北欧神話

フリッグは北欧神話のアース神族における最高位の女神で、主神オーディンの妃、光の神バルドルの母として語られる存在です。結婚・母性・家庭・豊穣・予言を司るその姿は、古ノルド語 Frigg に遡る名とともに、英語 Friday の語源にも結びついています。

ギリシャ神話

アイギスとは、ホメロスイリアスの最古層ではゼウスの持ち物として現れる神の防具であり、のちにアテナへ受け継がれてその象徴として定着した存在です。イージス艦やゲームでこの名に触れた読者が元ネタをたどると、意外にも出発点はアテナではなくゼウスに行き着きます。

北欧神話

フェンリルとは、北欧神話に登場する巨大な狼で、古ノルド語の fen に由来する名が示すとおり「沼に棲む者」と呼ばれる存在です。ゲームやアニメで先に名前を知り、のちにエッダの原典を開いて、その宿命の重さに驚いた人も多いでしょう。

比較神話学

七大天使とは、ユダヤ教・キリスト教の伝統で神の御前に立つとされる七体の大天使の総称である。だが、その七名は一つに定まらず、ミカエル・ガブリエル・ラファエルの3名だけが共通枠で、残り4名は聖典や教派の違いによって入れ替わる。

比較神話学

死神とは、ゲームや創作で見かける黒衣に大鎌の存在を指すことが多いが、実際には一つの系統ではなく、擬人化型・天使型・神格型という3つの系統が混ざっている。とくに死神/グリムリーパーは、14世紀ヨーロッパの黒死病期に死の図像が形を整え、19世紀以降に現在の姿と呼び名が広まった、意外に新しいイメージでもある。

北欧神話

グングニルは、北欧神話の主神オーディンが持つ槍で、古ノルド語の名は「揺れ動くもの/震わせるもの」を意味します。放てば狙った標的を外さない必中の投槍として知られ、神々の王としてのオーディンの権威と、戦と運命を支配する性格をよく映しています。

比較神話学

聖杯とは、最初からイエスの杯だったわけではなく、古フランス語 graal が指した「大皿・深皿」から文学の中で形を変えていった概念です。1185年頃のクレティアン・ド・トロワペルスヴァルまたは聖杯の物語に初めて現れた時点では、まだキリスト教と直結しておらず、後世に意味づけが重ねられていきました。

比較神話学

四大天使とは、ミカエル、ガブリエル、ラファエル、ウリエルの4体を指す天使群であり、聖書正典にそのまま「四大天使」と記される存在ではない。最古層は紀元前2世紀頃に成立した第一エノク書監視者の書第9〜10章や、神の玉座を四方から囲むというユダヤ教伝承に根ざしている。

比較神話学

エクスカリバーは、アーサー王伝説を代表する聖剣であり、王権と正統性を象徴する剣である。原典を紐解くと、石に刺さった剣と湖の乙女から授かる剣は同一ではなく、特にマロリーアーサー王の死では別の剣として語られる。

比較神話学

マモンは、アラム語 māmōnā に由来する「富・財産・利益」を表す普通名詞として出発し、神でも悪魔でもなかった語である。現代では強欲の悪魔として知られるが、その像は聖書、教父の解釈、悪魔学、そして文学を経て形づくられてきた。