沙月 遥
古代文明研究家・宗教学
東洋思想・宗教学のバックグラウンドを持つ古代文明研究家。博物館・遺跡巡りを年間20箇所以上行い、日本・エジプト・ヒンドゥー・メソポタミア神話を現代の読者に橋渡しします。
東洋思想・宗教学のバックグラウンド。博物館・遺跡巡り年間20箇所以上。古事記からヴェーダ文献まで幅広く研究。
沙月 遥の記事 (5)
インドラとは|インドの雷神・神々の王
インドラは、ヴェーダ神話における神々の王デーヴァラージャであり、雷雨と戦いを司る最大級の英雄神である。リグ・ヴェーダ全1028讃歌のうち約250編が彼に捧げられ、単独の神として最も多く歌われた事実は、寺院で白象アイラーヴァタに乗る帝釈天の姿だけでは見えにくい、この神の巨大さを物語っています。
ドゥルガーとは|インドの戦いの女神を解説
ドゥルガーは、ヒンドゥー神話における戦いと勝利の女神であり、サンスクリットで「近づき難い・越え難い」を意味する名をもつ。獅子に跨り、10本の腕で武器を構える姿は、博物館で間近に見たときにも圧倒的で、同時に浮かぶ穏やかな微笑みが、その強さに静かな奥行きを与えていた。
トリシューラとは|シヴァの三叉戟が示す3つの力
トリシューラは、サンスクリットの tri(3)と śūla(槍・鉾)からなる「三叉の槍」で、ヒンドゥー教の破壊と再生を司る神シヴァが常に手にする主要な象徴です。博物館でシヴァ像のそばにダマルが対で置かれているのを間近に見たとき、これは単なる武器ではなく、宇宙の働きを束ねた標なのだと腑に落ちました。
ギルガメシュとは|世界最古の英雄王の物語
ギルガメシュは、古代メソポタミア・ウルクの王として語られるギルガメシュ叙事詩の主人公で、紀元前2600年頃の人物とされる半神半人の英雄です。シュメール王名表に名を残すため、神話の登場人物であると同時に、実在の王だった可能性も見えてきます。
リリスとは|悪魔学が描く夜の女王の正体
リリスとは、約4000年にわたりメソポタミア起源、旧約聖書、中世ユダヤ文献、近代芸術へと意味を重ねられてきた習合体である。大英博物館で夜の女王浮彫の前に立つと、解説プレートがリリスと断定していない事実に目が留まり、名のある遺物ですら帰属が揺れるところに、この人物像の難しさがそのまま表れていた。